花粉症の治療には大きく分けて、3つあります。
●薬物療法
薬の服用にて症状を抑える治療法です。一般的には、抗ヒスタミン薬・抗ロイコトリエン薬の服用です。
鼻の局所的な症状緩和を目的として、ステロイド噴霧剤を使用する場合もあります。
●手術
3つの手術と補助的な手術が1つあります。
下甲介粘膜焼灼術
下甲介粘膜は花粉やウイルスなど、体外の異物がくっつきやすく、アレルギー反応の起こりやすい鼻の粘膜です。
この下甲介粘膜を焼く(炙る)ことで、粘膜の働きを鈍くし、アレルゲンにも反応しにくい組織に変えようという手術です。
通常のアレルギー性鼻炎でもこの手術は可能です。
後鼻神経切断術
後鼻神経という鼻の神経を切断します。
後鼻神経は脳と繋がっており、鼻の粘膜で起こったアレルギー反応を脳へ伝える神経です。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者様は、この神経が過敏に反応しているため、必要以上のくしゃみや鼻汁が出ます。
この後鼻神経を断つことで、過剰なアレルギー反応を抑えようという手術です。
ちなみにこの後鼻神経を切断しても、鼻水やくしゃみを誘発させる神経は他にもあるため、全く出なくなるということはありません。
粘膜下下鼻甲介骨切除術
鼻の粘膜の側面に下鼻甲介というヒダのようなものがあります。これを支える骨を削り、腫れている粘膜を元通りにする手術が粘膜下下鼻甲介骨切除術です。
鼻中隔矯正術
鼻の中央の仕切りを鼻中隔と呼びます。ここは骨と軟骨で構成されているのですが、成人の約80%が歪んでいると言われています。
通常であれば歪んでいても特に問題は無いのですが、その歪みが大きいと、アレルギー性鼻炎や花粉症などで鼻の中が腫れると、鼻中隔の歪みと腫れで、空気が通らなくなり、非常に不快な症状を引き起こします。
そのため、歪んだ軟骨を削り、可能な限り真っ直ぐに修正することで、空気の通り道を確保しようという手術です。
通常は単独で行われず、上記の3つの手術の補助的な手術として行われます。
◆当院では
橋本クリニックみみはなのどでは、CO2レーザーを使用して下甲介粘膜焼灼術という手術を行っております。
クリニックの紹介 ▶
CO2レーザーは水分を蒸散させて切開するため、皮膚や粘膜の表面は焼けても深い組織を焼くことはありません。
そのため、出血や痛みが少なく必要な箇所のみをピンポイントで焼けるため、痛みに弱い人や日帰りで手術を受けたい人でも安心して受けていただくことが出来ます。
また、後鼻神経切断術・粘膜下下鼻甲介骨切除術・鼻中隔矯正術などの手術が必要な場合、専門医のいる病院へ紹介させていただいております。
当院所在の生野区の隣の区である天王寺区の
大阪赤十字病院や
大阪警察病院、阿倍野区の
大阪市立大学医学部附属病院に、状況に応じて紹介させていただきます。
●舌下免疫療法
近年では、非常に薄いアレルゲンのエキスを定期的に摂取することで、体にもう一度正常な免疫反応に戻ってもらおうという治療があります。
それが舌下免疫療法です。
舌の裏に希釈したスギのアレルゲンエキスを滴下し、それを定期的に摂取することで、過剰な免疫反応を抑えるというものです。
個人差があり、また通院が長期間必要なので、よく耳鼻科専門医に相談し、治療を受けるようにしてください。