アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎とは、花粉やハウスダストが原因となるアレルギー疾患です。
通年性(1年中)のアレルギー性鼻炎と季節性(特定の季節のみ)のアレルギー性鼻炎があります。
金属アレルギーやアナフィラキシーショックと同じアレルギー反応ですが、症状はほぼ「鼻」に集中しています。

通年性アレルギー性鼻炎

通年性アレルギー性鼻炎とは
人の体は、体内に異物が侵入してもきちんと追い出す仕組みを持っています。
のどを守るためにくしゃみを出し、鼻を守るために鼻汁を出します。
しかし、その防御反応が過剰に反応してしまった結果、過剰なくしゃみ・鼻汁・痒みを生じさせます。
これがアレルギー反応です。
通年性アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応の原因となる素(アレルゲン)が1年中周りに存在するため、文字通り1年中アレルギー反応が起きてしまうのです。
症状
鼻の症状が主です。くしゃみ・鼻汁・鼻づまり・目や皮膚のかゆみが挙げられます。
長く続くと鼻づまりから頭痛がし、目や皮膚がかゆいからと掻きすぎて傷がつけてしまうことがあります。
また、睡眠不足からくる倦怠感や不快感は日常生活の質を大幅に下げます。
すぐさま命に関わる病気ではないものの、学業や仕事に大きく差し障る症状がでる場合もあります。
原因
アレルギー反応を起こす原因は主に、
  • ハウスダスト
  • ダニなどの死骸
  • ホコリ・フケ
  • カビ
  • 蛾など虫の粉
  • ペット(犬や猫)の毛
があります。
これらのアレルゲンは1年通して我々の身近な場所に存在するため、1度発症すると症状は1年通して出てしまいます。
治療方法
●薬での治療
痒みを抑える抗ヒスタミン薬や、鼻づまりを抑える抗ロイコトリエン薬などを服用し、今出ている症状を抑える治療法です。
おおよそ軽症~中等程度症状であれば、この治療法で日常生活を支障なく過ごせるようになります。

●手術での治療
3つの手術と補助的な手術が1つあります。

◆下甲介粘膜焼灼術
下甲介粘膜は花粉やウイルスなど、体外の異物がくっつきやすく、アレルギー反応の起こりやすい鼻の粘膜です。
この下甲介粘膜を焼く(炙る)ことで、粘膜の働きを鈍くし、アレルゲンにも反応しにくい組織に変えようという手術です。
通常のアレルギー性鼻炎でもこの手術は可能です。

後鼻神経切断術
後鼻神経という鼻の神経を切断します。
後鼻神経は脳と繋がっており、鼻の粘膜で起こったアレルギー反応を脳へ伝える神経です。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者様は、この神経が過敏に反応しているため、必要以上のくしゃみや鼻汁が出ます。
この後鼻神経を断つことで、過剰なアレルギー反応を抑えようという手術です。
ちなみにこの後鼻神経を切断しても、鼻水やくしゃみを誘発させる神経は他にもあるため、全く出なくなるということはありません。

粘膜下下鼻甲介骨切除術
鼻の粘膜の側面に下鼻甲介というヒダのようなものがあります。
これを支える骨を削り、腫れている粘膜を元通りにする手術が粘膜下下鼻甲介骨切除術です。

鼻中隔矯正術
鼻の中央の仕切りを鼻中隔と呼びます。ここは骨と軟骨で構成されているのですが、成人の約80%が歪んでいると言われています。
通常であれば歪んでいても特に問題は無いのですが、その歪みが大きいと、アレルギー性鼻炎や花粉症などで鼻の中が腫れると、鼻中隔の歪みと腫れで、空気が通らなくなり、非常に不快な症状を引き起こします。
そのため、歪んだ軟骨を削り、可能な限り真っ直ぐに修正することで、空気の通り道を確保しようという手術です。
通常は単独で行われず、上記の3つの手術の補助的な手術として行われます。

◆当院では
橋本クリニックみみはなのどでは、CO2レーザーを使用して下甲介粘膜焼灼術という手術を行っております。
CO2レーザーは水分を蒸散させて切開するため、皮膚や粘膜の表面は焼けても深い組織を焼くことはありません。
そのため、出血や痛みが少なく必要な箇所のみをピンポイントで焼けるため、痛みに弱い人や日帰りで手術を受けたい人でも安心して受けていただくことが出来ます。

また、後鼻神経切断術・粘膜下下鼻甲介骨切除術・鼻中隔矯正術などの手術が必要な場合、専門医のいる病院へ紹介させていただいております。
当院所在の生野区の隣の区である天王寺区の大阪赤十字病院大阪警察病院、阿倍野区の大阪市立大学医学部附属病院に、状況に応じて紹介させていただきます。
気を付けること
アレルゲンから避けることが最も重要です。
ハウスダストやダニなどに反応している場合、こまめに部屋の掃除をし、周囲にアレルゲンが無いようにしましょう。
通年性アレルギー性鼻炎は放置していても自然に治癒する確率は非常に低いです。
耳鼻咽喉科の病院で適切な治療を受けましょう。

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

季節性アレルギー性鼻炎とは
いわゆる花粉症のことです。植物の花粉がアレルギーの素(アレルゲン)です。
年々患者数は増加しており、国民のおよそ20~25%はかかっていると言われ、国民病と呼ばれるまでになっています。
症状
  • 通年性アレルギー性鼻炎と同様に、鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみや充血・皮膚のかゆみなどが主な症状です。
    鼻閉症状がひどくなると、そこから頭痛や食欲減退、放置していると副鼻腔炎に発展することもあります。
    また、鼻づまりの症状が悪化すると口呼吸になり、風邪(上咽頭炎)や口腔乾燥症(ドライマウス)になりやすいので早めに対処するようにしましょう。
原因
原因は花粉です。
通常、体内に花粉が侵入しても異物とみなされ、各免疫機能が働きます。その時、IgE抗体という抗体が生産され、侵入してきた異物(花粉やウイルスなど)を撃退しようとします。IgE抗体は肥満細胞と呼ばれる細胞とくっつき、ヒスタミンなどの神経伝達物質を放出します。これを受け取った各器官がのどならくしゃみを、鼻なら鼻汁を出し、異物を体外へ出そうとします。
しかし、そうした反応が過剰に起こると、今度は体に影響のない量の花粉にも反応し、くしゃみや鼻汁が止まらないという症状になってしまうのです。

原因となる花粉は個人によって違いますが、おおよそ以下のような花粉がよく見られます。
  • スギ(1~3月)
  • ヒノキ(3月以降)
  • イネ(5~6月)
  • ヨモギ
  • カモガヤ
  • ブタクサ
  • シラカンバ(シラカバ)
  • イチョウ
スギ花粉症の患者が最も多く、次いでヒノキ花粉症の患者が多いです。
地域差や年毎に飛散量が大きく変動し、毎年花粉の飛散が予想されたりしています。
治療方法
花粉症の治療には大きく分けて、3つあります。

●薬物療法
薬の服用にて症状を抑える治療法です。一般的には、抗ヒスタミン薬・抗ロイコトリエン薬の服用です。
鼻の局所的な症状緩和を目的として、ステロイド噴霧剤を使用する場合もあります。

●手術
3つの手術と補助的な手術が1つあります。

下甲介粘膜焼灼術
下甲介粘膜は花粉やウイルスなど、体外の異物がくっつきやすく、アレルギー反応の起こりやすい鼻の粘膜です。
この下甲介粘膜を焼く(炙る)ことで、粘膜の働きを鈍くし、アレルゲンにも反応しにくい組織に変えようという手術です。
通常のアレルギー性鼻炎でもこの手術は可能です。

後鼻神経切断術
後鼻神経という鼻の神経を切断します。
後鼻神経は脳と繋がっており、鼻の粘膜で起こったアレルギー反応を脳へ伝える神経です。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者様は、この神経が過敏に反応しているため、必要以上のくしゃみや鼻汁が出ます。
この後鼻神経を断つことで、過剰なアレルギー反応を抑えようという手術です。
ちなみにこの後鼻神経を切断しても、鼻水やくしゃみを誘発させる神経は他にもあるため、全く出なくなるということはありません。

粘膜下下鼻甲介骨切除術
鼻の粘膜の側面に下鼻甲介というヒダのようなものがあります。これを支える骨を削り、腫れている粘膜を元通りにする手術が粘膜下下鼻甲介骨切除術です。

鼻中隔矯正術
鼻の中央の仕切りを鼻中隔と呼びます。ここは骨と軟骨で構成されているのですが、成人の約80%が歪んでいると言われています。
通常であれば歪んでいても特に問題は無いのですが、その歪みが大きいと、アレルギー性鼻炎や花粉症などで鼻の中が腫れると、鼻中隔の歪みと腫れで、空気が通らなくなり、非常に不快な症状を引き起こします。
そのため、歪んだ軟骨を削り、可能な限り真っ直ぐに修正することで、空気の通り道を確保しようという手術です。
通常は単独で行われず、上記の3つの手術の補助的な手術として行われます。

◆当院では
橋本クリニックみみはなのどでは、CO2レーザーを使用して下甲介粘膜焼灼術という手術を行っております。 CO2レーザーは水分を蒸散させて切開するため、皮膚や粘膜の表面は焼けても深い組織を焼くことはありません。
そのため、出血や痛みが少なく必要な箇所のみをピンポイントで焼けるため、痛みに弱い人や日帰りで手術を受けたい人でも安心して受けていただくことが出来ます。
また、後鼻神経切断術・粘膜下下鼻甲介骨切除術・鼻中隔矯正術などの手術が必要な場合、専門医のいる病院へ紹介させていただいております。
当院所在の生野区の隣の区である天王寺区の大阪赤十字病院大阪警察病院、阿倍野区の大阪市立大学医学部附属病院に、状況に応じて紹介させていただきます。

●舌下免疫療法
近年では、非常に薄いアレルゲンのエキスを定期的に摂取することで、体にもう一度正常な免疫反応に戻ってもらおうという治療があります。
それが舌下免疫療法です。
舌の裏に希釈したスギのアレルゲンエキスを滴下し、それを定期的に摂取することで、過剰な免疫反応を抑えるというものです。
個人差があり、また通院が長期間必要なので、よく耳鼻科専門医に相談し、治療を受けるようにしてください。
気を付けること
花粉症に「なる」「ならない」は遺伝や環境などだけでは決まらず、はっきりとはわかっていません。
そのため、今発症していない人でも「誰でもなる可能性がある」と考えておくほうが良いでしょう。
花粉症になってしまった場合、まず自分が何の花粉に反応しているかを耳鼻咽喉科の病院などで検査し、花粉の飛散時期の外出を極力控えましょう。
また、軽~中等症の花粉症であれば、薬物療法にて抑えることが可能です。
花粉症を根本から治す治療法はまだ少ないため、「完治」よりも「日常生活に影響しない」状態を目指した方が良いでしょう。