仮性クループ

仮性クループとは
「オットセイのような咳」または、「犬が吠えるような咳」と表現される咳が特徴の、呼吸器系の病気です。
喉頭の周りが炎症で腫れることから、呼吸系の症状が出ます。
特に「声門」の下辺りが炎症で狭くなります。

声門とは、右図における声帯・喉頭のあたりを示します。

症状
鼻水・軽い咳・発熱といった、風邪に似た症状から始まり、症状が出てから2・3日して特徴的な咳が出てきます。

オットセイのような咳(犬が吠えるような咳)

声のかすれ

喘鳴という、ゼーゼー、ヒューヒューといった息苦しそうな呼吸音


夜に症状がひどくなる傾向があり、収まっても数日繰り返すことがあります。
病気が悪化すると、いつでも症状が起こるようになり、肩で呼吸をし始めるなど呼吸不全の症状が現れます。
原因
ウイルスや細菌によって、喉頭特に「声門」と呼ばれる部分の辺りが炎症により腫れて、狭くなるからです。
その中でも、ウイルスが関係するクループは約8割といわれており、とりわけ「パラインフルエンザウイルス」というウイルスが冬~春にかけて流行しやすいです。
その他にも、インフルエンザウイルス・RSウイルスなどのウイルス、頻度は低いですがマイコプラズマなどのウイルスが原因になることがあります。
治療方法
基本的には、安静にしていれば良いのですが、腫れがひどい場合や症状が重い場合は、それに対する治療をします。
診断には極小径ファイバースコープを使用し、直接「声門」を診ます。あまりにも腫れていれば、入院の可能性もあります。

◇腫れがひどい場合
気道が腫れによって著しく狭くなっている場合は、腫れの軽減を目的としてステロイドや気管支拡張剤の吸入を行うこともあります。
ただし、吸入は内服薬と違い効果は早く現れますが、持続しないという特徴があります。
気を付けること

加湿器などを使用し、乾燥を防ぎましょう。

泣かせたり、大声を出させないように気を付けてください。

安静にし、水分補給をしてください。

呼吸の音と咳の仕方に注意していただき、何か異変があれば、お近くの耳鼻咽喉科にご相談ください。

生野区にお住まいの方であれば、耳鼻科専門医のいる橋本クリニックみみはなのどまで、お越しください。