扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍とは
扁桃周囲膿瘍とは、口蓋扁桃と呼ばれる喉の奥、両側にある部分が炎症を起こし、さらにひどくなると起きる病気です。
喉が痛くなる「扁桃炎」という病気は、よくご存じだと思います。この扁桃周囲膿瘍は、扁桃炎などが悪化し、扁桃の奥に膿が溜まっている状態です。
ちなみに、「膿瘍」とは膿が溜まっている状態を指します。
→扁桃炎
症状
扁桃炎と同じような症状が主で、
  • ・のどの痛み
  • ・発熱・全身のけだるさ
  • ・リンパの腫れ
  • ・ものすごく喉が痛い
  • ・口が開けにくい
  • ・物が食べれない
などが現れます。
他にも、「声がこもったようになる」「耳に痛みが出てくる」「つばを飲み込みにくくなる」「急に口臭がひどくなる」など、喉から口にかけての症状が多くみられます。
重症化すると、頸部膿瘍や縦隔膿瘍といった病気になり、空気の通り道である気道が塞がったしまうこともあります。
原因
原因は、様々なウイルスや細菌です。
ウイルスであればインフルエンザウイルスなどが、細菌であれば黄色ブドウ球菌(食中毒の元になる菌)やインフルエンザ菌(中耳炎などを起こす菌)などが原因となることが多いです。
最初は喉の一部にしか炎症が見られませんが、徐々に広がります。
扁桃炎と違い、片方に痛みが集中する(炎症が偏る)ことが特徴です。
診察をすると、「こもった声」と「喉の異常な腫れ」でわかる病気でする病気です。
治療方法
治療法は、外科的な方法しかありません。
膿がある部分に血液が流れておらず、抗菌薬などが届かないためです。
膿の溜まった部分を針で突いたり切ったりし、膿をきれいに排出させることで治療します。
気道が十分に確保できていない時は、まず気道確保の手術から行います。
(※気管の切開など)

☆北巽の耳鼻科、橋本クリニックみみはなのどでは
当院では手術が必要な場合、専門医のいる病院へ紹介させていただいております。
当院所在の生野区の隣の区である天王寺区の大阪赤十字病院や大阪警察病院、阿倍野区の大阪市立大学医学部附属病院に、状況に応じて紹介させていただきます。
気を付けること
治療を行う場合は、基本的に入院です。
手術をした後は食事ができず、水分補給も難しいため、点滴等をする必要があるからです。
再発する可能性もありますので、その場合は扁桃の摘出手術を検討することもあります。