味覚障害

味覚障害とは
味覚障害は、味が分からなくなる・舌の感覚がおかしくなるといった病気です。
人の舌には、味を感じる「味細胞」という小さな細胞が多数存在しています。味細胞は舌の表面や奥にあり、「味蕾」とよばれるつぼみ型の細胞の中にいます。
食べ物を食べると、味の素となる化学物質は唾液と混じり合い、それを味細胞がキャッチして「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」の5つの味に判別します。その後、大脳へ味の情報を送り、人は「この食べ物がどういう味か」を認識できるのです。

味覚障害は、何らかの障害が原因で味を認識するまでのプロセスが機能せず、「味がしない」「変な味がする」といった症状になるのです。
症状
「味がわかりにくい」「いつもの味と違う」「特定の味が強く感じる」「弱く感じる」といった症状を訴える患者さんが多いですが、分類すると味覚障害には7つのパターンがあります。

〈味覚障害の7分類〉
味覚の低下 自発性異常味覚
味をしっかり感じられなくなる症状です。 口の中に何も入れていないのに、苦い・酸っぱいと感じる症状です。
味覚の消失 異味症
味覚の低下が進み、全く味が感じられなくなる症状です。 本来の味と異なった味を感じる症状です。
解離性味覚障害 悪味症
特定の味だけ分からなくなる症状です。 食べてもいないのに、嫌な味がする症状です。口の中に味が残っている、という感覚を訴える方がいます。
風味障害
嗅覚障害の為に、味覚が低下したと感じます。
→嗅覚障害
原因
原因は様々ですが、最も多い原因は「亜鉛不足」です。
味蕾にある味細胞は、味を感じる為に亜鉛の働きが必要だとわかっています。亜鉛不足はそのまま味細胞の機能低下につながり、味覚障害になると考えられています。

他にも、服用中の薬による副作用や不規則な食生活が原因で味覚障害になることがあります。
治療方法
食事指導で治療します。つまり、亜鉛を多く取り入れる食事を心がけてください。
亜鉛を多く含む食品は、次のような食品です。
  • ごま
  • うなぎ
  • 牡蠣
  • 卵(卵黄)
  • アーモンド
  • チーズ
  • 抹茶
  • 豆腐
  • 大豆
  • 海藻

亜鉛を摂ると同時に、ビタミンCやタンパク質も摂取すると、更に良いです。
  • ビタミンC
  • パイナップル
  • みかん
  • 海藻
  • にがうり(ゴーヤ)
  • タンパク質
  • ササミ肉(鶏)
  • もも肉
  • 牛乳
  • レバー
気を付けること
亜鉛不足は味覚障害だけでなく、免疫力の低下や皮膚や爪の異常、お子さまであれば成長を阻害する要因になります。偏った食生活を正して、味覚障害を治しましょう。
厚生労働省は、成人男性では12mg / 日、成人女性では9mg / 日、妊娠中の方であれば12mg / 日を目安に亜鉛の摂取を推奨しております。

「味がしない」「舌の感覚が変だ」などの異常を感じた場合は、近隣の耳鼻科へ受診されるか、生野区にお住まいの方は大阪メトロ千日前線北巽駅から徒歩3分の耳鼻咽喉科、橋本クリニックみみはなのどまでご来院ください。