嗅覚障害

嗅覚障害とは
嗅覚障害でよく訴えられる症状は、「においが判らなくなった」「においの感じ方が今までと変わった」といって患者さんが来院されます。
「においに鈍感になるだけだから、大きな問題はないのではないか?」と思われるかもしれませんが、ガス漏れや薬品もれの臭いが分からなくなる、おいしい食事をしていてもにおいが分からず美味しさを感じなくなってしまうなど、日常生活に直接影響がでてきます。
症状
主な症状は「においが分からない」「においを感じにくくなった」「いつもと違うにおいに感じる」という症状です。
普通の人であれば日常生活に影響が出るだけで留まりますが、料理の微妙な味やにおいを感じる必要のある調理師、ワインなどのソムリエを職業にされている方は、仕事のパフォーマンスにも多大な影響が生じてきます。
原因
においを感じる嗅細胞は鼻の粘膜にあり、嗅神経につながっています。その後、大脳へとにおいの情報が伝達され、「におい」として認識されます。
嗅覚障害の患者さんは、この一連の流れのどこかに障害があると考えられます。
発症原因となる病気のほとんどは、「慢性副鼻腔炎」「感冒(かぜ)」「頭部の外傷」です。
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★嗅覚障害の原因別分類
呼吸性嗅覚障害
においの成分が物理的に、粘膜に到達しない障害です。
ポリープ(鼻茸)を伴う慢性副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症などが原因です。
嗅粘膜性嗅覚障害
アレルギー性鼻炎や急性副鼻腔炎などにより、嗅細胞がある粘膜が妨げられてしまうことが原因です。
嗅神経性嗅覚障害
感冒(かぜ)の原因となったウイルスや、別の病気の治療薬によって嗅神経が障害されることが原因です。
中枢性嗅覚障害
頭部への外傷や脳腫瘍、アルツハイマーなどの影響で、においを分析する中枢神経が侵されることが原因です。
治療方法
感冒(かぜ)や副鼻腔炎にかかっていないか、頭部への外傷はないか、どのような薬を飲んでいるか、などの問診を行います。その後、鼻の中を見て診察して、副鼻腔炎などであればポリープ(鼻茸)などが出来ていないかを確認します。
最後に、CTやMRIといった検査を行い、鼻の中の異常がないかを詳しく調べます。当院では特に、はっきりと鼻の内部の現状がわかるCT検査をおすすめしています。
嗅覚障害だと判明したら、次に治療を行ってまいります。
ステロイド剤の点鼻薬や内服薬、ビタミン製剤、漢方薬などを使った薬物治療を中心に行っていきます。
ただし、慢性副鼻腔炎や頭部の外傷は、薬物治療と並行して治療を行います。
気を付けること
「最近、臭いが変だな」「臭いを感じないな」などの症状がありましたら、一度ご近所の耳鼻科を受診されて検査を受けていただいた方が良いと思います。

生野区周辺にお住まいの方であれば、大阪メトロ千日前線北巽駅から徒歩3分の耳鼻咽喉科、橋本クリニックみみはなのどにご来院ください。