良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは
よく「寝返りをすると、めまいがする」と言って、来院される患者さんがいます。
寝返りをしたり、特定の方向を向いたりすると、めまいが起こる症状を「良性発作性頭位めまい症」と言います。
他にも、朝起きた時にクラクラと起きるめまいや短く繰り返すめまいは良性発作性頭位めまい症の可能性があります。
女性や高齢者の方に多いめまいですが、近年は男性の方でも発症を訴える方が増えてきました。
症状
主な症状はめまいです。その中でも、

朝起きた時にくらくらとするめまい

寝返りをうった時におこるめまい

繰り返しめまいが起きるが、めまいの起きている時間は比較的短い

頭の位置や特定の体位の時だけ、めまいが起こる

という症状を訴える方が多いです。

他にも、「頭を下に向けた時(洗髪・洗い物・物を拾うなど)のみ」「首を傾けた時のみ」などの日常的な動作時に、めまいが起きるとされています。
ただし、良性発作性頭位めまい症の特徴として、めまいに伴う吐き気・気分が悪くなるなどの症状は出るものの、難聴・意識障害・言語障害・運動障害などは起きないとされています。
原因
良性発作性頭位めまい症の原因は、耳の奥にある内耳の三半規管(半規管)という場所に、耳石という小さなカルシウムの結晶が入り込むからだと考えられています。
普段重力を感知する前庭という器官に耳石はあるのですが、この耳石が何らかの理由で三半規管に入ってしまうことがあります。

こうして耳石からの妨害を受けた三半規管は、平衡バランスを上手く保てず、めまいを引き起こすのだと考えられています。
治療方法
治療を開始する前に、まず検査を行います。めまいを引き起こす病気はこの病気以外にもあり、「メニエール病」や「前庭神経炎」などと区別をする必要があるからです。
検査方法はフレンツェル眼鏡を用いた眼振検査や聴力検査などがあります。
→メニエール病はこちら

良性発作性頭位めまい症とわかれば、

耳石置換法

頭の位置を順にぐるりと回すことで、三半規管に入った耳石を元の位置に戻す治療法です。万能の方法ではありませんが、一定の患者さんに効果がある治療法です。別名、エプリー法とも呼ばれます。


薬物治療

根本的な治療にはなりませんが、めまいに付随する嘔吐感を止める吐き気止めや、めまい感をとる薬を内服していただきます。楽にはなりますので、こちらを処方することが多いです。

気を付けること
治療を行って改善されても、再発する可能性がある病気です。神経質になり過ぎず、ゆっくり治療を続けることが重要です。もし、再発してしまったらお近くの耳鼻咽喉科で診察を受けてください。

繰り返しめまいが起きる方や寝起きのめまいが頻繁に起きる方は、大阪メトロ千日前線北巽駅から徒歩3分の耳鼻科、橋本クリニックみみはなのどにご来院ください。